2025年12月02日

こんにちは。前原接骨院・鍼灸院の院長の前原です。
今日は、意外と多いのにあまり知られていないケガ
「掌側板損傷(しょうそくばんそんしょう)」についてお話ししたいと思います。

当院には“突き指”として来院され、診察してみると実は掌側板損傷だったというケースがよくあります。
「突き指=軽いケガ」というイメージを持つ方も多いのですが、
実際には 関節の安定性に関わる大事な組織が傷ついている場合 があり、
早期に正しく診断して治療をしていかないと
痛みが長引いたり、関節が緩くなってしまうこともあります。
掌側板とは?
掌側板は、指の関節(PIP関節)の前側にある強い靱帯で
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指が過伸展(反りすぎること)するのを防ぐ
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関節を安定させる
などとても重要な役割をしています
例えばどんな時に掌側板が損傷してしまうのか
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ボールに弾かれる
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相手の手や体にぶつかる
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転倒して指をつく
などで損傷するケースが多く、特にバスケ・バレーに多発します。
当院ができること
掌側板損傷は、見た目だけでは「軽い突き指」と区別がつきにくいため、
当院ではエコー(超音波画像観察装置)を使い、
損傷の有無・程度をしっかり確認しています。
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靱帯の断裂がないか
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付着部の剥離骨折がないか
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関節のぐらつき(不安定性)があるか
これらを評価することで、治療方針がはっきりします。
「湿布貼って様子を見るだけ」で改善が遅れることが多いので
まずは正しい鑑別が大切です。

早期復帰は、固定+リハビリ
掌側板損傷は、初期は
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過伸展を防ぐ固定
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ギプスに近い固定(ルナキャスト固定)

その後
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関節可動域の回復
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組織回復の超音波治療機器
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競技復帰へのステップ
を見ながらリハビリを進めていきます。

治療が遅れるほど関節が硬くなったり、
逆に緩くなったりするため、
早期の来院がとても重要なケガです。
痛みが長く続いている状態は要注意!
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指をそらすと痛い
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PIP関節の前側が腫れている
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つまむ動作に違和感がある
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何週間も腫れが引かない
こんな症状がある場合は、掌側板損傷の可能性があります。
放置してスポーツを続けると悪化するケースも多いため、
気になる方は早めにご相談ください。
最後に
当院では、スポーツでの指のケガもエコーを用いて丁寧に評価し、
その方にあったベストな治療を提供しています。
「突き指だと思っていたけど、なかなか良くならない…」
そんな方の力になれると思いますので、ぜひ一度ご相談ください。